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» 2014年6月 9日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング 15年前にAR(拡張現実)の広告があった!?~アイデアは色褪せない~

ARに飛びつく前に

最近周辺でもARという言葉を良く聞くようになった。スマートフォンのカメラを利用して、現実世界に情報を付加するという技術だ。

最近、新しいものに飛びつきたい広告代理店がしきりに「AR」「AR」と宣伝しているが、技術ありきの広告宣伝は生活者には届かないという事をもっと理解すべきだと思う。例えばチラシの中で商品動画を見せるために、その商品を専用のアプリで観ると動画が出てくるといったもの。QRコードでいいのでは?と思うのだ。

専用のアプリを検索する

アプリをダウンロードする

起動する

カメラを商品に向ける

動画を撮影する

という手順を消費者に踏ませるというのを、ただ新しい技術だからといってやらせるだろうか。

バーコードリーダーを起動する

QRコードを読み取る

動画を視聴する

こちらが手順も少ないし、バーコードリーダーは今ほとんどの端末に標準で搭載されているのだから現実的だ。

新しい技術を見せる事自体に価値を持つ企業はこれも一つのプロモーションであるので否定はしないが、実際の効果を求める企業にとっては代理店が勧めるARというものに対し慎重になるべきだと思う。

しかし、腕時計を実際にはめてみる。洋服を実際に着てみる、メイクアップをしてみる、といった頻繁に入れ替える事が難しいようなものを、簡単にARで実現出来ればお試し体験のスピードアップにもつながり、顧客満足も高く、実際の購買に大きな影響を与える事が出来るかもしれない。こういったARは今後どんどんと進化していって欲しい。

15年前にもあった!AR体験

さて、そんな事を思っていたら、ずいぶん前に同じ体験をした事を思い出し、過去の携帯電話のフォルダから探しだしたのが以下の写真だ。

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韓国ソウルの地下鉄に掲示されていたポスターで、キャッチコピーには

「カーニバルの主役はあなたです!」

とある。ロッテワールドのイベントの告知だったと思う。この女性に囲まれた男性の顔の部分は鏡になっていて、自分の顔をそこに入れる事でカーニバルの主人公を味わう事が出来るという趣向だ。

鏡面というローテクを使いながらも、実際に自分がポスターの一部となるというまさに拡張現実を実現したこの広告。これは私が広告というものに興味を持った最初の大きな出会いであった。

アイデアは色褪せない

バーチャル体験を通じて、実際の購買に結びつける。まさにARの機能そのものが15年前にもあったのだ。

アイデアは色褪せない。ただ、技術は色褪せる。

持つべきものは、卓越したアイデアなのだろう。

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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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