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» 2012年12月 6日 更新

元・百貨店マーケッターが見た【住宅業界】の明日 私家版・増税前行動計画ポイント

 ネクスト・アイズ早坂です。

 2015年度にほんとうに増税するのか、しないのか?
衆院選や公示前の第三極の合従連衡に関する話など、日々の報道をみても、
さっぱり先を見通せない状況が続いています。

 さらに、関電の赤字・無配をはじめ、シャープの6段階格下げ、パナソニックの
2段階格下げと持ちあいをしている例が多い関西企業の業績悪化と続き、消費税
増税法案の「増税は経済状況の好転を条件」という景気弾力条項が発動されるの
か?という疑問も出てきます。

 もちろん、税率がいまのまま増税しないと仮定し、増税後の営業力強化対策を
何もしないで過ごすというやり方もあります。

 でも普通に考えると、いまのうちに増税前駆け込み需要を確実に刈り取り、
さらに増税後にも安定して案件を獲得できる営業体制を、いまのうちに整えよう
としている方々が大半かと思います。


増税後の顧客づくりに向けた準備

 いろいろな情報が錯綜するなか、私だったら、という前提で、いろいろな方々
が取り組んでおられます【増税後の顧客づくりに向けた準備】についてまとめて
みます。

 予定通り増税されるとしても、あと1年弱あります。
駆け込み客に絞って、ガンガン成約を取ることは、とても大切です。
ただし、このままいくと消費税が増税してしまうことが分かっている以上、
この1~2ヶ月で取り組める、【考え方のポイント】から手がけてみるのも、
大切かことかもしれませんね。


○ 基礎体力のトレーニング

 1.住宅という【ハードウエア】に偏った提案にこだわるのではなく【暮らし】
   という【ソフトウエア】に沿った提案に向けて、Webやチラシなどの新規
   顧客獲得用の媒体、DMやニュースレターといった、顧客ランクアップ用
   の媒体、直接接客する営業担当者、契約後に携わる設計担当者や現場監督
   といった自社社員をはじめ、建築中のお客さまと接する機会がある協力会
   社各社や協力的なOB施主にも協力を呼びかけ、自社なりの価値観をいろ
   いろな立場にいる、いろいろな方々が同じ価値観を語ることができるよう
   にする。

   ~ 私がことあるごとに話し続けている内容なので、いまさらと思う方も
      多いと思いますが、私が両手に余るほどの部下を持っていたときでも
      全員が同じスキルをもって、だれでもいつでもどこでも、同じことを
      同じように伝えられるようにすることは、どうしてもできませんでし
      た。マニュアルを作っても、店頭で指導を続けても、扱う品目が数え
      切れないほどあり、それぞれの売り方、売れ方が違う商品を前にして
      自分にはマネジメントスキルがないなぁ~と、しみじみ実感してしま
      いました。
      単一ブランドだとしても、生活全般(衣料から住宅まで)扱っていて、
      消しゴムひとつにもこだわりがあると、個々の商品単位で語ることは
      不可能です。


 2.社内外の女性ならではの価値観を伸ばす。
   あわせて、女性をマネジメントする男性管理職層の訓練も行う。

   ~ 私はもともと女性上司に仕えていた時期が長いので、個人的には平気
      ですが、この業界で驚いたことは、男性側に予想以上にジェンダーに
      対する抵抗感が強いことなのです。
      やはり、業界全体が保守的なんですね。


 3.温熱環境と構造力学を習得し、冷暖房負荷と綿密に検証された耐震性能を
   競合他社と比較できるように資料を整理。
   すべての営業担当者が同じように説明できる体制を整える。

   ~ 工務店にいたとき、自分のコトバで語れるようになるまで、ほんとう
      に苦労しました。
      自分が試してうまくいった、手っ取り早く確実にこれらの商品知識を
      覚える方法もあります。


○ 自社の考え方に共感できる対象を整理して、その方々に支持していただける
  業務の品質を向上。

   ~ わかりやすい例を上げると、これからの取り組みとして【リフォーム】
      にも注力する。というお話はよく聞きますが、たとえば、木造軸組の
      戸建住宅にだけ限定するのか【マンションリフォーム】を強みとして
      ノウハウを研鑽するのか、家電量販店などからいただく施工案件をこ
      なしていくことに特化するか。
      これだけ挙げても、対応すべき方法・内容はまったく異なりますし、
      学ぶべき相手も変わります。


○ ツール・話題・話し方など、見込み客に接するすべてを変える。

   ~  増税前のスピード勝負が、見込み客自身の優先順位として上位を占め
      ている方に【焦らずじっくり・・・】は逆効果。
      一方、増税前後でも資金的に余裕があるお客さまの場合【増税前に急
      いで・・・】というと、たいがい厳しい値下げ交渉がはじまります。
      経済的な余裕のある見込み客を前に【値引きします】というトークが
      意味をなさないことは、容易に想像できるかと思いますが・・・。
  
     当たり前の話ですが、ライフプランに沿った資金計画やローン選定は
     消費税増税前後とも、当然の業務として行うことです。
     そのようなテクニック編の解説は、普段から実行している聡明な読者
     のみなさまに失礼なので割愛させていただきます。


○ 業界を問わずネットワーク(人的交流)を広げ、他の業界で起きていることを
  自社のことに【読み替え、置き換え】自社の対応策に生かす。

   ~ 異業種での取り組みは、成功事例はもとより失敗事例に、自社の改善
      に向けたおおきなヒントがたくさん転がっています。
      異業種でも同業種でも、増税対策の基本的考え方だけは驚くほど似て
      います。
      私自身、いつも思っているのですが、いくら学んでも、いくら聞いて
      も、自分がわからないことばかり。
      でも、自己紹介とこっちの業界のお話をしてから教えを請うと、実に
      核心にふれるような話をしていただけます。
      おかげさまで、私の名刺ホルダーは建築業界以外の方々が大半です。


○ 増税前後の契約にかかわる法的リスクをきちんと理解

   ~ 法令遵守を徹底するならば当たり前のことですが、2013年10月以降の
      契約の場合、引き渡し日によって5%の消費税率か、8%の消費税率
      か、だいぶ状況が変わってきます。
      引き渡しのタイミングも見据えながら、引き渡し日で税率が変わる理
      由とその対応策を知っておくと、その場で慌てることが少なくなる可
      能性は高いと思います。


ざっと挙げただけでもこの程度ありますが、これらの要素を半年・1ヶ月・1週間
・1日・1時間・1分の時間軸にて整理していくと、個々の取り組みそのものは、
ほとんど負担になりません。
ひとさまにお伝えするノウハウなんかではなくて、別に大したことをやっている
わけではないのですが、自分のなかではかれこれ20年近く、似たようなことを
いろいろな場面でずっと続けています。

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プロフィール

早坂 淳一

早坂 淳一

中立の立場で住宅全般に関する対応を承るネクスト・アイズ(株)にて【ブチョ~】と呼ばれる立場で《ハウスネットギャラリー》という注文住宅リフォームポータルサイトを運営しながら、《ハウスネットギャラリー》でわかったお客さまの興味/関心と、あちこちから直接、間接的に聞いてくる市場/行政/政治の動きを掛け合わせて、主に新しいことを立ち上げるような仕事をしてます。

カテゴリ

  • Webサイト構築
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