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» 2013年3月23日 更新

元・百貨店マーケッターが見た【住宅業界】の明日 モノを欲しがらない堅実な客を前に、成功している業態

■ モノを欲しがらない堅実な客を前に、成功している業態


ネクスト・アイズ早坂です。

 巷でいわれている【アップルストア】の強みを整理してみましょう。

 1.ガラスを基調としたおしゃれな外観
 2.製品を触って体感できる開放的なスペース
 3.リッツカールトンなどの高級ホテルを参考にした接客
 4.商品を売ろうとせず、客にていねいに助言
 5.あたたかみのあるインテリア

【アップルストア】の魅力は『そこに行ってみると楽しいこと』。


家電量販店などのように、販売員にしつこくつきまとわれることもないし、
最新のアップル製品はさわり放題。スタッフに聞けばていねいに教えてくれるし
長居しても居心地の悪さは感じません。


同じように話題になったのが、伊勢丹新宿店が目指す"ミュージアム型百貨店"
キーワードは「ファッションミュージアム」。エスカレーターを上がるたび考え
抜かれた装飾に目を奪われ、どのフロアでも意外なスタイリングの数々。
目移りしながら「これもいい、あれもいい」とついつい足を止めてしまいます。


■ 欲しい→必要かどうか考える→買う


上記に挙げた2つの例は、いずれもメインターゲットが20代~30代。
主にインターネットで価格や評価を比較したうえ購入を判断する層が多いですが
実際のところは「欲しい=買う」ではなく「欲しい→必要かどうか考える→買う」
と、【必要かどうか考える】ワンクッションがあるのです。


そんな20代~30代(一次取得層)の消費意欲を高めるポイントは以下の2点。


1.物理的、情緒的両面から質の良さを理解させること。
  頭だけではなく、感覚に訴える接客と、ていねいなプレゼンの積み重ねが必要。


 → 情報源は《人》。
       それも作り手や売り手側ではなく、買い手側にいる人の情報を信頼します。

 → 情報を集約して実際に役に立つものかを見極め、お金を使う傾向。

 → 品質重視で、長く使える商品を選ぶ傾向。
       購入する際に「身の丈」感や納得感を重視します。

 → リスクヘッジやコスパ(=費用対効果)を見極める傾向。

 → 厳選志向が強い。つまりモノ選びの目は非常に厳しいものがあります。
       裏を返せば、多少金額が高いモノだったとしても合理的な魅力がきちんと
       伝わりさえすれば、買ってくれる余地が十分にあるのです。


 このように、基本的に一次取得層の財布のひもは固く「堅実さ」が顕著です。
また、売り手である私たちが合理的な魅力を持っているものと、自信をもって
提案する商品(つまり私たちの業界では住宅やリフォームのプラン)が、合理性
の核と歳を重ねてきた彼らにとって満足できる質を、ほんとうに兼ね備えている
と、納得させることが必須なのです。


2.ネガティブな要素に関する情報も、正直に提示すること。


 →他の商品とは異なる優れた機能を強調するとともに、
  欠点も素直に事実として表示することが求められます。


たとえば、住宅設備機器を例に挙げれば、最新の多機能商品が次から次へと発売
されている現在。たとえ他商品より機能的に劣る部分があったとしてもその機能
が自分にとって必要なければ彼らにとって何ら問題はありません。
それ以上に、欠点の表示などが彼らの信頼感を築くきっかけともなり、リピート
率・紹介率も高まる可能性があると言えるでしょう。


■ 接客に対する評価は、モノ選び同様に厳しく


 今後は、コミュニケーションを重視することも重要になります。
接客に対する評価はモノ選び同様に厳しく、接客も商品価値のひとつとして捉え
ています。押し売りではなく、聞きたい時にベストなタイミングでプロとしての
情報を提供してくれる。
かゆいところに手が届く「つかず離れずの距離感」が求められます。



 駆け込み需要が続く9月までは、いままでの手段で契約までもっていくことは
できますが、問題は駆け込み需要が終わる10月以降。
いままでのクロージング方法では失注する可能性が高まることも予測されます。

上記で述べた「身の丈」感や納得感・堅実傾向がより明確に顕われ、特に接客に
対する評価は、一層厳しくなることが予想されるのです。

お客さまの前で話す機会に差が出る"伝わる"話し方を、いまから意識して変えて
いかないと、10月以降に立て続けに失注していく可能性が一層高まっていくこと
をあらかじめ考えておいたほうがよいでしょう。

                          ネクスト・アイズ(株) 早坂 淳一 http://www.nexteyes.co.jp/

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プロフィール

早坂 淳一

早坂 淳一

中立の立場で住宅全般に関する対応を承るネクスト・アイズ(株)にて【ブチョ~】と呼ばれる立場で《ハウスネットギャラリー》という注文住宅リフォームポータルサイトを運営しながら、《ハウスネットギャラリー》でわかったお客さまの興味/関心と、あちこちから直接、間接的に聞いてくる市場/行政/政治の動きを掛け合わせて、主に新しいことを立ち上げるような仕事をしてます。

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