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» 2013年4月10日 更新

ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話 NAVERまとめは本当にSEOが強いのか?NAVERまとめとnanapi(ナナピ)のSEO対策を比較 NAVERまとめビジネスモデル研究


こんにちは、黒須敏行です。

NAVERまとめ最近よく見ますね。こういったまとめtwitterやFacebookで流れてきます。


またこのまとめは以前書いたエムスリーの記事ががっつりと使われてました。


この記事も以前書いた記事から作られていますが、そもそもそんなことは一言も言っていないという情報に改変されてしまっています。


こういった治外法権っぷりもNAVERまとめの特徴ですね。そして先日そのNAVERまとめがtwitterのユーザ数を越えたというニュースがありました。


twitterとNAVERまとめは使われる目的やシーンが異なるので、比較してもしょうがないと思いますがこの記事ではNAVERまとめの70%の流入元は検索エンジンであることが書かれています。

最近ではクライアントに「NAVERまとめってなんでSEO強いんですか?」と聞かれることも増えて来ました。今回の記事の目的は『NAVERまとめは果たしてSEO対策が強いのかどうか?』ということを検証することです。

要点としては

・NAVERまとめはSEO対策は強くないが記事の数が極端に多いため物量で圧倒している
・NAVERまとめが優れてるのは報奨金制度の仕組み
・注目すべき点はNAVERまとめがビジネスとして成功するかどうか

という3つです。ポイント毎に、解説します。

1つずつ参りましょう!


■NAVERまとめのSEO対策をnananpiと比較してみよう!

・キーワードランキング
・コーディング方法
・リンク構造

の3つを見てみましょう。

まずキーワードランキングです。nanapiのカテゴリやnanapiのパフォーマンスが良いワードを元に比較しましたが、NAVERまとめのパフォーマンスはそれよりも良いです。

naverランキング比較.jpg

ただしコーディング方法を比較すると、nanapiのほうが評価は高いです。

naverスコア比較2.jpg

またリンク構造は以前解説しましたがnanapiに大きな問題はありません。


にも関わらずなぜNAVERまとめのパフォーマンスは高いのでしょうか?これは「site: intitle:」というコマンドで出した各キーワード毎のインデックス数の比較データです。

naverインデックス比較.jpg

これを見るとNAVERまとめがnanapiよりも多くの記事を持っていることがわかります。要はキーワードに関連したページの数が多いという話です。NAVERまとめの検索エンジン流入が目立っている要因は、手数が多いという話が正しいと思います。

そしてこういった膨大なページを生成する原動力になっているのが報奨金制度です。


■NAVERまとめの成長を推進するインセンティブ設計

なぜこんなにも多くのまとめがあるのかというと、作ったまとめ経由で獲得した流入数に応じてまとめ作成者に対価が支払われるからです。ここにはどれくらいのPVでいくらの対価が獲得できているのかがまとめられています。


1PVは通常0.2円でNAVERに買い取ってもらいますが、良質な大量のトラフィックをコンスタント稼げる作成者のレートは1円になるようです。nanapiにも記事を作成することで報奨金が支払われる仕組みはありますが、記事毎に対価を得るという形になるので対価が積み上がりません。

NAVERまとめの場合は作ったまとめが検索エンジンで高い評価を受けると、それが資産として積み上がりその評価が続く限り継続して収益をもたらしますが、そういったことはnanapiは見込めせん。NAVERまとめがストックでnanapiがフローですね。

このまとめはその違いを上手に解説しています。


そのため報奨金目的の数多くのアフィリエイター達はnanapiよりもNAVERまとめに流れ、その結果彼らによってNAVERまとめが大量に生成されているということが想像できます。

そして本当に注目すべきポイントはNAVERまとめはビジネスとして成功しているのかどうかという議論です。


■NAVERまとめの最終ゴール

nanapiのビジネスモデルは当初アドセンスからの収益がメインでしたが、NAVERまとめの内容がアドセンスの配信対象としてそぐわないとする問題が起き現在はYahooリスティングが配信パートナーになっています。

また去年は企業向きの3ヶ月1000万~の商品をリリースしていました。この段階では今後収益化を目指すということが語られています。


この企業向けの商品は構造的な問題を抱えているため、大きな収益源にしていくのは難しいと感じます。まとめという形式の情報は第三者が様々な企業を比較した際に大きな価値を発揮しますが、特定企業のみがまとめられている情報にそこまで大きなニーズはありません。あるかもしれませんが、比較されると負けてしまうでしょう。

例えばリクルートはツインキュというマッチングサービスを展開していますが仮にツインキュのNAVERまとめがあったとしましょう。リクルートが公式に提供する「ツインキュまとめ」という情報よりもameba縁結びとツインキュとomiaiを比較したまとめのほうが、情報に対しての信頼値やニーズは高くなるはずです。

そのためNAVERまとめは無断で商標利用されやすいというアキレス腱があります。当然NAVERまとめとしては禁止していますが、広告価値があるからこそみんな無断で作ってしまうという、媒体主にとっては喜ばしいことと悲しむべきことがセットになってしまっているというのがNAVERまとめです。

肩の可動域が広かったため素晴らしいスライダーは投げれたが、その可動域の広さが仇となって引退してしまったヤクルト伊藤選手みたいな話で少し残念ですね。

この課題は永遠に解消されることは無いので、短期的にできることは報奨金制度をもとになるべく多くのまとめ記事をユーザに作ってもらいアドセンスのような提携広告費のかさを増やしていくことです。

仮に検索結果がNAVERまとめで専有されるような世界が訪れるのであれば、PPC広告のようにNAVERまとめの上部に広告配信ができるということもできるかもしれません。

それでも膨大な検索ニーズをそれでカバーできるとは到底思えないので実現しても収益に対しての影響力はそこまで大きくないでしょう。


■NAVERまとめの記事についてのまとめ

NAVERまとめは確かに検索結果の専有は目立ちますが、それは単純に数が多いからです。またそれを後押ししているのは報奨金制度による大量生成の仕組みです。NAVERまとめのビジネスモデルが成立しているかどうかは外からみてわかりませんが、現状の課題は法人顧客の獲得と更なる記事の生成でしょう。

ただし法人顧客の獲得はまとめという情報の性質からみて難しいかもしれません。

そのためできることは記事の数をとにかく増やして、広告収益を積み重ねることです。もしくは情報の信頼値を上げて、直接ユーザに販売することもできるかもしれません。

例えば実現可能性は置いといて、宮内庁が紹介するオススメの飲食店みたいなまとめは接待用に購入したいといったニーズがあるでしょう。信頼できる人のまとめた情報を販売するビジネスモデルは可能性があると思います。

まあなんやかんやいいつつも、今後成長していくサービスです。実際まとめは面白いものもあり、便利ですしね。そしてこういったサービスを見る際もSEO対策が凄いかどうかよりも、ビジネスとしてうまくいくのかどうかという視点を持つようにしたいですね。

それではまたこの場所でお会いしましょう!

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プロフィール

黒須敏行

黒須敏行

早稲田大学在籍時に株式会社アルコにアルバイトとして参加し入社。現在はコンサルタントとしてベネッセやラクスルなどが運営する大規模サイトを中心にウェブマーケティング改善のプランニング及びコンサルティング活動を行なっている。

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