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» 2013年9月20日 更新

ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話 SEO対策のパフォーマンスを手っ取り早く改善する方法とは?ゴルフダイジェスト・オンラインと楽天GORAのSEO対策を徹底比較

※記事の最後にお得な無料セミナーの告知があるのでお見逃しなく!

立川談春は自著の赤めだかという本の中で師匠の立川談志から芸事の基本について
「型があるから型破り、型がなければ型なしだ」と教えられたと書いています。

物事を改善して上達するための基本は人の真似をして型を作ることです。このことは芸事だけではなくウェブのマーケティングも同じことがいえます。

今回の記事の目的は
他の業界の手法をもとにSEO対策の改善方法を考える
ことです。

ある業界にとっては当たり前でも、他の業界では全くそうではないことというのはよくあるこです。

ここでいうウェブマーケティングの競争という意味は、SEO対策の競争が激しいという意味です。

人材業界、不動産業界などはPPC広告の単価が高騰しているためどの会社もSEO対策に非常に力を入れています。また飲食店情報や車情報などを掲載するメディアは取り扱う情報量が膨大で、ユーザの検索ニーズも多種多様であることからSEO対策が重要になってきます。

言い換えるとリクルートが生活領域事業として手がけているような業界が該当します。

今回はゴルフダイジェスト・オンラインのキーワード選定方法やコーディング方法、そしてリンク構造などを他業界のサイトと比較することで改善方法を探っていきます。

そうすることでこれを読んでいる方が同じような方法で自分達のサイトの改善をできるようになってもらうことが狙いです。

私も上記のような業界においてSEO対策が特に優れているメディアの施策を研究し他の業界に転用させることで

・リスティング1件3000円の獲得単価の反響を自然検索経由で月間2,000件増加
・自然検索の月間流入数を100万UU以上増加
・BtoBサービスを提供する会社の反響数を2倍にし売上が倍増

などの成果を上げてきました。

そのため自信を持ってオススメできる方法です。

早速参りましょう!


■ゴルフダイジェスト・オンラインのキーワード選定は言うことなし!

ゴルフダイジェスト・オンラインの主要な事業内容はゴルフ送客、通販、広告の3事業です。

前回の記事で紹介しましたが利益率が高いのがゴルフ場送客事業、売上の"かさ"が大きいのが通販事業でした。


ゴルフ場送客事業、通販事業それぞれのコンテンツのSEO対策のキーワードを見て行きましょう。


☆ゴルフ場送客事業

ゴルフの予約をするユーザは基本的に
・地域
・条件(初心者、女性、宿泊付き)
などの要素をかけあわせて検索をします。

このあたりの検索行動は不動産のそれに非常に似ています。ゴルフ送客サービスを提供している各社のランキングを比較してみましょう。

ゴルフダイジェスト・オンラインランキング1.jpg

基本的なキーワードのパフォーマンスは問題がありません。

またランキングやクチコミなどのキーワードのパフォーマンスも高いです。

ゴルフダイジェスト・オンラインランキング2.jpg

ただし詳しく見ていくとキーワードのパフォーマンスは高いですが、表示されているページが最適化されていないためユーザの課題を解決できていない可能性があります。

これはコーディングの課題になるので後ほど解説します。


☆通販事業

ほとんどの通販サイトは
・自分達の商品
・商品のカテゴリ(テレビ、Tシャツ)
などのページは用意していますがそれだけでは不十分です。

大規模なサイトには
・ランキング
・クチコミ
・芸能人
という3大鉄板のコンテンツがありますがゴルフダイジェスト・オンラインはランキングもクチコミ、芸能人全てに対応するページを用意しています。

ゴルフダイジェスト・オンライン3.jpg

こういったキーワードに対応する情報を用意しページを作るだけでもかなりの検索流入の貢献は見込めます。

またユーザの目的にあわせてキーワードを設定するという施策はほとんどのサイトができていません。多くのサイトは自分達の商品を紹介するだけにとどまっているためです。

まあ普通に商売をやっていればこういったことは仕方ないですが、問題はユーザがその商品を何の目的で選ぶのかという視点が欠けていることです。仮にゴルフ未経験で何の商品知識が無いユーザはゴルフクラブのブランド名やスペックが並べラていても、自分にぴったりのゴルフクラブが何なのかはわかりません。

既に自分にあったクラブやグッズが決まっている人であれば問題無いですが、ユーザはそもそも何を選んでいいのかわからない、もっと良いスコアを出すために自分にあったクラブが欲しいという目的や悩みを解決するために商品を買うことも多いです。

八代目儀兵衛という会社が関西にあります。

2009年に米のネットショップを立ち上げましたが、当初は「米」や「米 通販」というキーワードでリスティングやSEO対策を実施しており売上が伸びませんでした。おそらくですが当時はお米単体のネットショッピングの市場がそこまで無かったというのが一因だったのでしょう。

そこでとった方法がお米をプレゼントやギフト用に提案するというマーケティングでした。

具体的にいうと「内祝い」「結婚内祝い」「香典返し」などのキーワードを41種類予め設定し、それぞれのページを作り全てにSEO対策をかけたのです。

八代目儀兵衛.jpg

その結果売上が3年間で2400万から6億9000万まで伸び、今は10億円の企業になっています。

ほとんどの会社は自分達の商品情報を声高に叫んでいることが多いため八代目儀兵衛のようにユーザの目的にあわせて自分達の商品情報を整理するだけで大きなインパクトを得ることができます。


こういった目的別のキーワードのランキング状況をゴルフダイジェスト・オンラインと各社を比較しましょう。

ゴルフダイジェスト・オンライン4.jpg

素晴らしいですね。しっかりと目的毎にページを用意しているためランキングも高いです。

最後に非常に細かいキーワードの対策はサイト内検索のキーワード毎にページを用意する施策を行っていることがわかります。主にゴルフクラブの商品名でページを生成しているようです。

ゴルフダイジェスト・オンラインキーワードページ.jpg

このコンテンツの課題はリンク構造なので後述します。


■コーディングの課題は表示させるページを最適化

現状のランキングのパフォーマンスは高いですが今後の課題はキーワードに対応したページの最適化です。

表示されているページを見ると、多くのゴルフ場を一覧で紹介するページではなく、具体的に一つのゴルフ場を詳しく紹介するページが表示されています。

betweenpagecoursepage.jpg


例えば「飯能 ゴルフ場」というキーワードを検索するユーザは飯能という地域にあるいくつかのゴルフ場を比較したいという考えをもっていますが、各社共に特定のゴルフ場を紹介しています。

こういった方法ではユーザの課題は解決できません。

個別具体的なゴルフ場を調べたいユーザはそのゴルフ場の名前を直接検索するためです。

おそらくですがそこまでページを分割させると1ページで紹介できる情報が少なくなってしまうという懸念でこのような形をとっているのでしょう。

こういった懸念を解決する方法を別の業界の方法から見てみます。

リブセンス社が運営するdoor賃貸は、検索したユーザに対して紹介する情報が無い際は「このページを見たユーザは他の情報を見ています」という形で、別の情報を提案することで検索エンジンにページを認識させる工夫をしています。

doorchintai掲載取りやめページ.jpg

不動産情報は入居者が決まってしまえば、掲載を取り下げる必要があるためこういった工夫が重要になる業界です。

また以前紹介しましたがHOME'SはHOME'Sアーカイブという過去に掲載をした情報をまとめることで同じような問題を解決させています。


同じような方法でゴルフ送客サービスのSEO対策も改善が可能です。


■リンク構造の課題はクリック階層の改善

サイト内検索で検索履歴を貯め、キーワードに対応したページを生成するという方法をゴルフダイジェスト・オンラインもとっています。

サイト内で検索されるキーワードが自動的に生成されるため、結構な数のページが検索エンジンに認識されています。

godkeyword.jpg

そしてこういった施策のほとんどの問題は、末端ページまでのクリック階層が非常に深くなってしまうことです。

keywordploblem.jpg

こういった問題を解決する方法は簡単で、各ページに検索エンジンクローラーが1クリックで辿れるような通り道を作ってあげることです。

リブセンスが運営しているジョブセンスにはトレ単というコンテンツがありますがこれも同じ意図で作られたコンテンツでしょう。

このコンテンツがあることで、個別の案件ページまで短いクリックで辿れるようになります。

トレ単語の価値.jpg

このように他業界の事例を見ることで流入数を増やすための改善方法を手に入れることは可能です。


■ゴルフダイジェスト・オンラインのSEO対策のまとめ

ゴルフダイジェスト・オンラインのSEO対策は非常に優れていますが、人材や不動産のそれと比べるとまだ改善の余地はあるでしょう。

そして大事なことはこういった方法を実際に自分の業界でできるかどうかを考え実行し検証することです。

SEO対策はまだ他の人が見つけていないマスをいかに早く抑えるかという陣取りゲームに近いものがあります。

多くの人が欲しがっているけど誰も検索エンジンに対応した情報を用意していない領域を他の業界の事例を元に特定をし、情報を用意することであなたのマーケティングは更に改善されるはずです。是非実践をしてみて下さい。

最後に告知です。

10月10日に久しぶりにアルコ主催のセミナーをやります。

docomoからiphoneが投下されることでスマートフォン普及は更に加速するでしょう。クライアントのウェブサイトのトラフィックでも半数以上がスマートフォンというところも珍しくありません。

にも関わらずスマートフォンサイトの反響率はどのサイトも低いことが多く、問題意識を持っています。これはスマートフォンのUIやユーザビリティに関する情報がまだそれほど出回っていないということも要因の一つかなと考えています。

そのため今回のセミナーの目的は『スマートフォンの反響数を伸ばすためのノウハウを公開すること』です。

対象となる方は
・不動産
・人材
・冠婚葬祭
などの業界のマーケティング担当者です。

こういった業界は一生に一度のお買い物なので、無料のアプリなどと異なりユーザがサービスを検討し購入する際の不安が大きくなりやすいという特徴があります。

その際に何にユーザが不安を抱くのかを特定し、それらを解消することで反響数は大きく伸ばせます。

セミナーでは業界毎の不安と解消方法を紹介していきます。

スマートフォンの反響数を伸ばすことに興味のある方がいれば是非足を運んでみて下さい。

セミナーは無料です(・∀・)

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その他のセミナーもやります。

10月4日

10月17日

それではまたこの場所でお会いしましょう!

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プロフィール

黒須敏行

黒須敏行

早稲田大学在籍時に株式会社アルコにアルバイトとして参加し入社。現在はコンサルタントとしてベネッセやラクスルなどが運営する大規模サイトを中心にウェブマーケティング改善のプランニング及びコンサルティング活動を行なっている。

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