ニュース
» 2012年10月10日 更新

ハイ・コミュニケーション私論 「マーケター通信」開設おめでとうございます。

 私はブログを書き始めて5年ほど経つ。開設したのは遅い方だと思う。この間に投稿した記事は750本近くに達した。最近では、ようやくブロガーと名乗っても恥ずかしくないくらいにはなってきたように感じている。
 最も、今ではダン・ギルモア著『あなたがメディア!』(原題:「Mediactive」)にインスパイアーされて、ブロガーの代わりに勝手にsocialmediactivistと称してはいるのだが。
 今回、私が常日頃からニュースや情報でお世話になっているITmediaが、「マーケター通信」というメディアを新しく開設するに際し、お声かけをいただいた。
 もっと若手の気鋭や期待されるだろう人も多くいるだろうと思うのだが、ありがたくも私のような老兵にも機会をいただき、自分が記事を書くことになるとは思いもよらなかった。
 初回ということなので、自己紹介を兼ねて感じていることを徒然に書いてみたい。
 私は、長らくマーケティング業務に関わり続けてきた。
 20世紀は、主に広告代理店の傭兵マーケティングプランナー、21世紀になってのこの10年ほどはIT系ベンチャーでマーケティングコミュニケーションに携わってきた
 この間のインターネットとWebの変化と進展は著しく、私が体験したメディアとマーケティングコミュニケーション環境の激変は、まさにコペルニクス的転回であった。
 しかし、この大転回を実感したのは、2006年当時に在籍していた電子書籍企業においてであった。

■変わることの難しさ

 ちょうど、そのころブログプロモーションが開始され、連日売り込みの電話があった。私は、これからはこうしたメディアを活用したコミュニケーションが不可欠と判断し導入した。一定の成果はあったものの、ブログに対しては落胆と失望も大きかった
 その理由は、私がレガシーな代理店時代の経験、発想や視点でそうしたメディアを見ていたからだ。
 今日では、ブログ、Tumblr、Facebook、Twitter、Google+、LinkedInなど、私自身が様々なソーシャルメディアを利用しているので、そうした考え方が大いなる誤解だということも理解している。
 しかしながら、その当時の発注者側にいた経験、長らくマーケティングに携わっていて、従前の染みついた発想の垢、ましてや成功した体験を否定したり捨て去ることができない人たちに出会うと、変わることの難しさを感じる。
 一方、今日ほどマーケティングコミュニケーションが重要だと企業にも認識されている時代もない
 新しい発想、新しいテクノロジー、新しいメディア、新しいコンテンツなどが必要とされているし、消費者へのアプローチ方法、コミュニケーションのあり方も、日々進展し多様化している。
 マーケティングという言葉は、元々が供給者サイドの都合や意向から語られることが多かった。
 しかし、いまではマーケティング全体、特にコミュニケーション領域においては、ソーシャルメディアの隆盛で消費者に主導権が握られている。

■日々変化し続けているマーケティングコミュニケーション

 今日ほど、マーケティングコミュニケーションでもイノベーションが必要かつ重要と思われている時代はないだろう。
 常に携帯デバイス(スマートフォン、Pad=タブレット類など)を持ち歩いており、いつでもどこでも気軽にネットで人々や世界と繋がることができる社会である。昨年来より、米国のエンタープライズ大手が次々に「ソーシャルソフト」しているのは、全てがソーシャル化していくプロセスである。
 ソーシャルメディアは、もちろんそのメッセージが届く人が大勢であればメディア的価値は高い。しかし、それはメディアというより、それだけ多くの人とコミュニケーションするための場だと考えるべきだろう。
 今の世界は「ハイ・コミュニケーション」時代である。
 そうした折、当メディアがオープンするのは、まことに意義深いと感じる。これからこのメディアの大いなる発展により、マーケティング業界全体の進展に資することを願うと同時に、私もそうした中の末席に名を連ね、記事を書くことで何某かの気づきや発見を提供できれば幸いである。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

プロフィール

梅下武彦

梅下武彦

コミュニケーションアーキテクト兼ブロガー。20世紀は広告代理店の“傭兵マーケッター”、21世紀はベンチャー企業のマーケティング責任者を歴任。現在、マーケティングコミュニケーション領域の戦略立案や設計、アドバイザー・メンターとして活動している。また、様々なソーシャルメディアで活動するSocialmediactivisとして、現在をDigital Ambient Society、Communication Metamorphosesと定義し、多様に激変する社会現象・事象、時代情況を独自のマーケティング視点で語るコラムを執筆中。 ソーシャルテクノロジー社会におけるMarketing DisruptionとCommunication Ecosystemの関係を探求している。

ハイ・コミュニケーション私論のバックナンバー

カテゴリ

「マーケター通信」購読一覧