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» 2013年3月 1日 更新

先日、サムスンがモバイルウォレットサービス「Samsung Wallet」を発表した。基本的な機能はAppleのiOS6以降に掲載された「Passbook」とほぼ同じなのだが、UIやデザインまでもがそっくりなのでネット上では「パクリ」だとか「マネスン」だと批判的な声が上がっている。



AppleとSamsungはハードウェアの筐体などでも世界中でガチンコをやっているのでこれも新しい火種とみる向きもあるが、私はむしろAppleは喜んでいるのではないかと思っている。理由は簡単でモバイルウォレットを生活の中心に持っていくためにはSamsung(Android全般)の協力が必要不可欠だから。Passのデザインが似ているとかで揉めるより、モバイルウォレットが普及した方がAppleにとってはるかにメリットが大きい。現状のPassbookはただのデジタルウォレットでしかないが、いずれ決済の仕組みを載せてくるだろう。それこそがAppleの狙いでチャリンチャリンとお金が落ちてくる仕組みをつくろうとしているのだ。iTunesで曲を買い、ついでにコンサートのチケットも買う。そしてPassbookを使って会場に行くといったことを実現しようとしている。

そしてもうひとつ今回のSamsung Walletの発表で見逃せないのが、NFC非掲載ということだ。(同じAndroidのgoogleがNFC推しにもかかわらず)特別な設備投資をすることなく既存のシステムにすぐにフィットできる二次元コードを選んだのは普及のスピードを重視したからだろう。

スマホ決済のSquareも当初NFCを採用しようとしていたが、スワイプに慣れているアメリカ人にはカードリーダー型が向いているということで切り替えたところヒットしたという。ITベンダーや新しい機会を伺うベンチャーはNFCに期待しているかもしれないが、普及にはもう少し時間がかかるのかもしれない。


■ Samsung Wallet



■ Google Wallet



(蛇足)
これまではグーグルが採算度外視でNFC決済の仕組みをバラ撒き、一気に普及すると考えていましたが、Passbookのような既存のシステムを経由して徐々にNFC化して行くのかもしれないと思うようになりました。
そして、アメリカ人がスワイプに慣れているからカードリーダー型になったとすれば、日本ではおサイフケータイ文化があるのでいきなりNFCになる可能性もあるかもしれないなと思いました。あと余談ですが、昔半導体業界では「Samsung」はサムソンか三星(さんせい)と読んでいたのですが、いつの間にかサムスンになりましたね。



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プロフィール

たかはしまさかず

たかはしまさかず

スタートアップファウンダー失敗多数。日本の閉塞感打破にはベンチャーが必要だと信じるベンチャー国富論者。自社の事業を成長させる事と子供がプロ野球選手か起業家になりたいと言うような社会をつくることがライフワーク。

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