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» 2014年8月10日 更新

今後のシステム構築は、クラウドサービスを利用した流れが主流となる事については、極々一部の業務システムを除けば、既定路線と言えるでしょう。

クラウドサービスと言っても、大きくは3つに別れて考えると、理解が楽そうです。

・SaaS (Software as a Service) サース
・IaaS (Infrastructure as a Service)アイアース、イアース
・PaaS (Platform as a Service) パース


企業で利用する業務システムは、どうなるか?

企業システム方向性.jpg

1-1. 既存システム - 定型的な業務 ==> SaaS の利用へ
1-2. 既存システム - 企業固有な業務 ==> IaaS 上へ塩漬け
1-3. 既存システム - 変化が必要な業務 ==> IaaS or PaaS もしくは混在
2-1. 新規システム ==> PaaS


と言う方向になっていくと考えられます。既存システムは SaaS と IaaS になっていく。新規システムは PaaS を活用して素早く開発し、日々修正可能として行く、そういう方向性になりそうですね。

企業システム選択肢.jpg


1-1. SaaS 活用

他の企業でも行うような自社に特化していない業務は、外部サービスでも十分でしょうから、SaaS を活用する方向に向いていくでしょう。

例えば、ファイルサーバーも企業内で Widnows Server や Linux + Samba で、自力でファイルサーバーを構築していたのを、外部のストレージサービス、DropBox や GoogleDrive、Microsoft OneDrive などを移行する方向になるでしょう。
私自身も、自宅に 12TB のファイルサーバーを構築していますが、バックアップや運用を考えると、これから同様なファイルサーバーを構築するよりも、 GoogleDrive などを活用したほうが安いし、早いし、楽だと言う認識になりつつあります。


1-2. IaaS 上での塩漬け

自社に特化した業務であるが、今後の修正、機能追加などがほぼ無い業務システム、そういう業務システムであれば、IaaS 上にそのまま持って行き「塩漬け」状態で使うのが1つの流れになるでしょう。自社でサーバーを持つなどは、ユーザー企業としては、本来は意味が無いことであり、現状まででも早い企業は、外部ホスティングしている企業も多いです。それを、さらに一歩進めて、IaaS 上に持って行くことになります。


1-3. IaaS + PaaS 混在

部分的な追加、少々の修正が起きる業務であれば、IaaS + PaaS の混在した形での業務システムとなります。修正しない部分は IaaS 上におき、追加や修正する部分は IaaS と連携できる PaaS 上で構築する形です。


2-1. PaaS 活用による新規システム構築

新規に開発する、もしくは、変化が多い業務であれば、PaaS を活用した構築が主流となります。その場合にも、極力オープンなモノを選択するのが良いでしょう。特定企業が囲い込んでいるようなモノを選択するのは、最悪の選択ですので、避けるべきです。


アジャイル、超高速開発などが頭に浮かぶと思いますが、そこで注意するべきなのが、真にオープンな手法や、ツール、環境を選択する事です。
新しい開発手法、開発ツール、開発環境と言うのは、過去にも何度も出てきており、その都度で注目を浴びて、幾つかの企業が採用するのですが、、、採用して痛い目に遭うのが、

・閉鎖的なモノ (※競合するモノが無い場合はダメなのが多い)
・ランタイムで高くなるモノ

には要注意です。

20年ぐらい前にも、クライアントサーバシステムの構築において、SQL Windows や PowerBuilder と言う、独自の開発ツール製品が流行しましたが、その後に、それらが消えていったので、構築されたシステムの移行で苦労した事例を幾つか知っています。特定の1社が情報を囲い込んで専有しているようなツールや手法は、やはり自滅していきますので、選択しないのが良いでしょう。


また、ランタイムが有償な開発ツール製品の場合には、端末単位や、サーバー単位で、課金が高くなりがちですので、注意が必要です。

一番のオススメなのは、やはり OSS: Open Source Software を前提として、業務システムを構築することでしょう。

どうしても、OSS では不可能な部分だけ、商用製品を使うほうが後々の悪影響や被害が少ないと言い切れます。

選択肢PaaS.jpg

 

 

世の中の動きとして、2000年前後では SaaS が SFA/CRM を中心として提供され、その後に商用PaaS が出てきた状況です。パイオニア的な企業として、Salesforce.com社(SFDC)があります。

日本市場の動きとしては、世界より(SFDC社よりと言うべきか)5年ほど遅れた形で、サイボウズ社が商用PaaSとして kintone を提供し活発に提案を始めたのがこの1年ぐらいの状況でしょう。

しかし、商用PaaS はベンダーロックインされる可能性が高くて、システム構築にはリスクがあると捉えています。ミドルソフト、特に高額な商用DBMS製品にベンダーロックインされた過去の経験を忘れた事になりかねません。

OSS を活用した PaaS であれば、ベンダーロックインの可能性が非常に低くなりますし、そこで提供される追加部品(アドオン)も、OSS となる可能性が高く、ベンダーロックインの可能性が低く易いと予想されます。OSS を活用した PaaS では、中核となる部分には OSS CMS が使われることになります。

・OSS PaaS  ==> 中核には OSS CMS 

 

世界市場では、OSS CMS は既に3強状態であり、企業向けの高機能 CMS として Drupal があり、簡易で入りやすい CMS として WordPress があり、中間的な存在で Joomla! がある状態です。どの OSS CMS も PHP言語でコア部分は作られていますが、機能拡張するアドオンが豊富ですので、PHP言語を知らなくても利用ができるほどに進歩している状況にあります。

Drupal であれば、module と呼ばれるアドオンが2千種類ほどあり、バーコード読み取りや QR読み取りなども提供されています。また、module を作成して提供する側になることも可能です。

WW-CMSmap.jpg

日本市場では、WordPress のみが浸透していますが、海外の企業向けシステムでの採用では、規模がデカくなるほど Drupal が強いようです。実際の構築事例でも、米国のホワイトハウスやNASAのサイトで採用されて運用続いている事からも、強固なセキュリティ実装が可能であり、運用実績もある証明でしょう。

http://drupal-navi.jp/case-studies

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プロフィール

池田秀一:Hidekazu Ikeda

池田秀一:Hidekazu Ikeda

ミドルソフトウェアや OSS についてのBtoBマーケティングにおいて外資企業、国産大手企業、ベンチャー企業と様々な環境での経験が豊富な『闘うマーケッター』。

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