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» 2013年4月11日 更新

目指せ! セクスィー・データサイエンス・マーケター ビジュアル系で売れるチケット価格が一目瞭然!


先日、ドミニカ共和国の優勝で幕を閉じたワールドベースボールクラシック 2013。最初は目玉不足なーんてショッパイ評価だったサムライ・ジャパンでしたが、勝ち進むごとに盛り上がりが増していき、テレビの前で応援したという方も多いのではないでしょうか。
mini_oshima.gif   あ!私もそのクチです。
  最初はまったく興味がなかったのに、しっかり盛り上がっちゃいましたよー!


ただこのWBC、日本では球場チケットの価格設定では物議を醸しました。福岡ラウンドでは日本戦でも空席が目立ち、価格設定が高すぎるのでは?なんて声もネット上で多く聞かれました。
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贔屓のチームが優勝レースに絡んでいたり、強豪チームとの好カードなんて場合は多少価格が高くても観客を集められるかもしれません。しかし多くの場合、正しく需要を分析しないと席が埋まらずに想定していた収益をあげられなかった、なんて結果が待っています。

今回は、NBAこと北米プロバスケットボールリーグに所属するオーランド・マジックが取り組んだ、分析主導型の価格戦略についてご紹介したいと思います。


あらゆるプロスポーツ・チームと同様にオーランド・マジックでも、年間41試合あるホームゲームを満席にし、チケット販売による収益を最大化することが経営上の大きな課題でした。なかでも安定した収益をもたらす年間シート(シーズンチケット)の販売と更新率は重要な指標でしたが、オークションサイトでのチケット再販などが一般化するにつれてシーズンチケットの魅力は下がり、シーズンチケット更新率90パーセントという業界のベンチマークを達成するのは難しい状況となっていました。

オーランド・マジックではこうした課題を解決するため、売店やグッズ販売、チケット販売などあらゆる収益源からのデータと、チケット再販市場での売買データなどの外部データを統合・分析し、ファンのニーズを理解し、適切な提案やサービス提供を通じた顧客経験価値の向上を実現しようとしています。
彼らは分析の結果、チケットの保有期間と利用率がシーズンチケットの更新を決定づける2つの主要な要因であることを解明し、チケットが使用されていない保有者に球場への勧誘電話を実施したり、チケットの未使用状態を防ぐためにTicket Exchangeと呼ばれるチケットの再販市場を紹介するなど、きめ細やかな対応を開始したのです。
mini_oshima.gif   これ、以前にご紹介した弱小球団、ピッツバーグ・パイレーツの取り組みと一緒だ!
  顧客理解に基づいた対応で、シーズンチケットを購入してくれる収益性の高い顧客の
  ロイヤリティを上げる、仕組み作りですね。

  ん?でも待ってください。今日のお題は「最適な価格」の見つけ方ですよね。

そうです。従来のオーランド・マジックでも、より収益をあげるために、人気チームとの対戦や週末の試合のチケットは最も高額の価格設定を行うなどを行ってきました。しかし実際にそうした価格設定が売上や収益にどのような影響を与えているのか、どうすれば売れ残りの席を最小化し売上を最大化できるのかは不明のままでした。

オーランド・マジックでは、まず、観客チケットの販売状況をビジュアル化しタイムリーに把握することから始めました。試合会場を詳細なセクションに分け、各セクションごとに販売済みの座席の割合が多ければ濃い色で、少なければ薄い色で塗り分けて表すことで一目で販売状況が分かる仕組みを作りました。この手法は「ヒートマップ」と呼ばれ、単一の指標を色の塗り分けで表します。

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この情報はほぼリアルタイムで更新され、全ての部署の担当者がポータル経由で、試合日が近づいても売れ残っている最新の席数を簡単に把握できるようになりました。これによりマーケティング担当者は、満席にするための特別キャンペーンの実施について迅速に意思決定を行うことが可能になったのです。
mini_oshima.gif   確かに、1週間後に迫った試合のチケット販促にどんなキャンペーンを打てば良いか、
  何日間もかけて情報を集めて、レポートにまとめて、なんてことやってられないですよね。
  視覚的に最新の情報をパッとみて判断に活用できるビジュアライゼーションってスゴイ!

  データの羅列を眺めているだけでは分からないことが見えてきたんだ!

このヒートマップのデータは、対戦チームの人気度や自チームのリーグ内順位、曜日、チケットの販売価格などの情報とともにシーズンを通じて分析され、翌シーズンの各試合・各座席エリアの需要がどれくらい期待できるかの予測に活用されます。この予測をもとに翌シーズンの価格戦略が立てられ、最も収益があがる価格設定とパッケージ販売計画に活用されるのです。
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mini_oshima.gif   う~ん!チケットの販売実績データを分析することで
  
各試合、各座席エリアごとの「需要」を予測し、どの価格帯を設定すれば、
  販売数と収益が最も高められるかを最適化するんだ!
  セクスィー!


オーランド・マジックでは、こうした分析業務をアウトソーシングせずに社内で処理しています。繰り返し実行する分析プロセスを特定し自動化することで、データ操作を必要最小限に抑え、データを解釈する作業に多くの時間を割けるようになったのです。また、全ての部署の担当者は経営陣も含め、ポータルを通じてビジュアル化された情報に即座にアクセスするだけでなく、それをもとに課題をいち早く発見し、社内で共有し、意思決定に活用しているのです。
mini_oshima.gif データ分析の出発点となり得る「ビジュアライゼーション」に興味を持った私。
 
セクスィー・ポイントを 5ポイントと、バスケットボール3個をGetしました
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プロフィール

大島 玲子

大島 玲子

SAS Institute Japan株式会社 でBtoBマーケティングのキャンペーン企画/管理を担当。愛犬と一緒に、サッカー観戦をするのがお気に入りの時間。

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