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» 2013年7月12日 更新

目指せ! セクスィー・データサイエンス・マーケター 外注していたキャンペーン管理・レポート作成を内製化した本当の価値


【過去の記事はコチラ】 アナリティクスを始めよう!講座 
   第1回 アナリティクスが成功に至る3つフェーズと最初のステップ「企画」
   第2回 データ探索って?
   第3回 分析のキモ!変数って?
   第4回 いよいよモデル構築
   第5回 オフィス用品小売企業が実現した、アナリティクス「プロセス化」



データから知見を見出し、科学的なマーケティングを実現する。そんな「アナリティクス」を成功に導くための3つのフェーズをご紹介する「アナリティクスを始めよう!」講座の途中ですが、今回はちょっと休憩をして、この第1フェーズからぐるっと外注を活用していた企業が一念発起して社内で分析環境を構築し、プロセス化にまで取り組んだセクスィーな事例をご紹介したいと思います。
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その会社は、Northern Tool and Equipment 社。
建設業界向けにカタログ販売を行う会社としてスタートし、その後、1万5,000品目に及ぶ製品を扱うカタログ販売会社へと成長し、さらに実店舗とインターネットにも販売チャネルを拡大、顧客数も1,040万人にまで達しました。
しかしビジネスがぐんぐん成長する一方で、販売データや顧客データがチャネルごとに個別に管理され、さらにマーケティング活動自体もチャネルごとに別々に管理・実施されるという状態が起こり始めました。

顧客の多くが複数の販売チャネルから商品を購入していることを肌感覚で感じていた社内では、このままの連携が取れていないマーケティング施策では十分な効果を上げられず、せっかくの販売機会を失ってしまう!という危機感が広がっていきました。
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そもそも Northern Tool and Equipment では、マーケティング・キャンペーンの管理業務を外注しており、データの分析・管理も含め、年間50万ドル、つまり5,000万円近くを外注費に使用していました。
チャネル間で統合されていないデータベースと、外注頼みの連携がとれていないマーケティング・キャンペーン。こうした課題を解決するため、Northern Tool and Equipment は次の成長に向けた改革の一手として、自社内にキャンペーン管理システムを構築したのです。
mini_oshima.gif うーん。外注するデメリットって何だったんだろう?
 
データ準備作業やレポート作成をアウトソーシングできるんだったら、
 社員はもっと分析作業に集中できるし、良いんじゃないかな?

 それに、社内で分析環境を持つメリットも気になりますよね。



①スピード

外注をする上でマーケティング担当者が一番、不便を感じていたのはスピードでした。
キャンペーン対象者を決めるにも、外注先に依頼し、どんな情報が欲しいかを説明し、新しいデータを作ってもらったり、修正してもらったりするまでには相当な時間がかかりました。さらにキャンペーン結果に関するレポートが納品されるのは開始から2ヶ月も後のこと。これではその2カ月間に注文した顧客の情報を知るには、ただ待つしかありませんでした。
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しかし自社内ですべてのチャネルから得た顧客情報を統合し、分析担当者がリアルタイムで入手できるようになったことでキャンペーンの企画・実行・効果検証のスピード感は一変しました。
担当者は毎日、自動で作成されるレポートを確認しながらキャンペーン内容を常に改善できるようになり、自らデータを抽出・加工できるようになったのです。

mini_oshima.gif なるほど!
 タイミングが命!のキャンペーン企画なのに、
 対象者を決めるだけで1ヶ月もかかっていたらお話になりません!
 しかもキャンペーンが終わって、結果をまとめて、
 2~3週間後に納品されるレポートじゃ、
 キャンペーン効果がイマイチでも、後の祭りですものね。
 内省化が実現したスピード。納得です。


②分析結果の質

分析の質も大きく変化しました。
以前は外注先から提供されるデータは項目が固定された静的レポートだったため、マーケティング部門の担当者がデータ分析をするにも限界がありました。「レポート上のここの数字の詳細をドリルダウンして欲しい!」と頼めば、それだけコストが嵩むため、質問をしたり、さらに詳しい情報を求めたりすることを思いとどまるといったこともありました。
でも今では、自由に分析を行い試行錯誤を繰り返すことができるようになったため、たとえばカタログで伐木機を購入された顧客の多くが店舗で特定のある品物を買っているといったことも明らかにすることができました。
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マーケティング担当バイスプレジデントのTerry Knoploh氏はこう語っています。
「外注を行っていた時は、カタログからの購入履歴がないお客様には送付を中止するという仕組みになっていました。しかし社内でマーケティング管理システムを構築してから、初めて、カタログをリクエストしてから店舗に行き購入するというお客様がいらっしゃることを知りました。
店舗販売とカタログ販売のデータを統合し、その情報を分析することで、こうした事実を発見することができたのです。お蔭で、今では店舗のお客様をカタログ送付対象のリストに残しておけるようになりました。」

毎日最新のデータを使い分析することができるので、特定の顧客セグメントに対して、これまでにないほどのスピード感で効果的なマーケティング活動を実施できるようになり、誤って不適切な顧客セグメンテーションを行ったり、営業機会を見失ったりすることも少なくなったのです。
mini_oshima.gif すごい!
 今までの決まりきった項目のレポートでは見えてこなかった
 試行錯誤を繰り返した分析から、チャネル横断での顧客行動を
 つきとめたんですね。うーん。セクスィー!


③ROIの向上と彼らが手にした、本当の価値

ROIも目を見張るものがありました。外注費 年間50万ドル分を節約できただけでなく、カタログ送付にかかる経費よりも利益の方が少ない顧客を特定したり、顧客を理解したタイミングとオファーでのキャンペーンが可能になったことで反応率が飛躍的に向上し、わずか3回分のカタログ送付で、分析環境構築への投資金額以上の利益を回収することができたのです。


しかし彼らが手にした本当の価値は、データを分析・活用するアナリティクスの仕組みを社内に作り上げたことで、ノウハウを蓄積しアナリティクスを高度化していくための体制を整えた事なのです。

彼らは今、マーケティング活動にさらに磨きをかけるため、チャネル横断でのデータ分析に基づき、顧客の生涯価値モデルの構築に取り組んでいます。「コンプレッサーを購入した顧客は、スパナのセットを買われた顧客よりも生涯価値が高いのか?」といった従来の仕組みでは到底明らかにすることができなかった疑問をクリアにしていきながら、科学的な根拠に基づいたキャンペーン計画・実行・改善にアナリティクスを使って挑んでいるのです。
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営業&マーケティング担当バイスプレジデントのWade Mattson氏は次のように述べています。

あのまま外注を続けていたら、小売や通販の売上を
短期間で伸ばすといったことは不可能だったと思います

短期間で伸ばすだけでなく、中長期でも継続的な成長を、アナリティクスはもたらしたのです。



mini_oshima.gifアナリティクスを社内に息づかせるプロセスの重要性を理解した私。
 
セクスィー・ポイントを 5ポイントと、電気ドリル 3本をGetしました。
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プロフィール

大島 玲子

大島 玲子

SAS Institute Japan株式会社 でBtoBマーケティングのキャンペーン企画/管理を担当。愛犬と一緒に、サッカー観戦をするのがお気に入りの時間。

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