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» 2012年12月10日 更新

マーケティングコンサルタント青葉哲郎の「成功のカギはマーケティング・イノベーションにあり。」 生理用品のファンページに、男性が意地悪なコメントを行い、その対応でYouTube330万ビューを獲得、好感度アップに繋げた生理用品メーカーのフェイスブック事例

Bodyform Logo

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(http://www.isleofideas.com/2012/10/18/bodyforms-brilliant-facebook-reply/)

はじめに

初めまして、マーケティングコンサルタントのサイコス青葉哲郎でございます。初回エントリーで簡単に自己紹介をさせて頂きましたが、マイクロソフト、インテリジェンス、リクルートグループなどの事業会社でマーケティング責任者を担当した実績がございまして、現在はお客様の経営課題に即したマーケティングコンサルティングを提供するサイコス株式会社代表を務めております。この場では、マーケティングコンサルタントの視点から国内外のマーケティング・コミュニケーション事例を紹介させて頂きたいと思っています。今回は、英国の一般消費財メーカーのソーシャルコミュニケーション事例をご紹介いたします。

生理用品のファンページに、男性が意地悪なコメントを行い、その対応でYouTube330万ビューを獲得、好感度アップに繋げた生理用品メーカーのフェイスブック事例

英国の女性衛生用品ブランドであるボディフォームがYouTubeにアップしたビデオが話題になっている。同社のFBページに載せられた意地悪なコメントに対し、ユーモアセンスたっぷりのビデオで応答したもので、クレームに対するとても賢い対応として話題を呼んでいるようだ。

事の始まりは10月8日、リチャード・ニールという男性がボディフォームのFBページにコメントを載せた。このコメントが友人等の間で話題になり、シェアする人が続出、ボディフォームのFBページ自体は約4000人強しか「いいね」を獲得していなかったのに対し、このコメントは84000(現在は10万以上)の「いいね」を獲得した時点で、ボディフォームは、YouTubeにビデオをアップする形で応答したというもの。

まず、リチャード・ニール氏の意地悪なコメント(実際にフェイスブックに投稿されたもの)を見てみよう。

リチャード・ニール氏の意地悪なコメント
(http://www.reelseo.com/bodyform-viral-video-apology/)

リチャードから、ボディフォームへ
「こんにちは。僕は男として、どうしてあなたが長年嘘をついてきたのか聞きたいのです。子どもの頃、(ボディフォームの)コマーシャルで描かれる、毎月女性が経験する素晴らしい時間について、興味深く見ていました。女性たちがサイクリングや、ジェットコースター、ダンスやパラシュートなどを楽しむ喜びの時間や、あの"青い水"や"ウイング"をどうして僕たちは楽しむことができないのか、と嫉妬心さえ覚えていました。僕は「男に生まれて残念!」と思っていました。そのうち彼女ができて、これらの楽しいアドベンチャーが一緒に経験できる喜びの時間を待っていたのに!ボディフォームめ、嘘をついたな!喜び、スポーツ、ウイングからあふれ出る青い水、素晴らしいサウンドなんて全くないじゃないか。代わりに、彼女が愛情あふれる、やさしい、普通の肌の女性から、毒を持って、首を360度回転できるエクソシストに出てくる女の子のように変わってしまう時、すべての男性たちは『うぉー!!君にボディフォームを渡さなくちゃ!』と大声で叫びたいのを必死でこらえなくてはならなかったんだ。 ボデイフォーム、こんな喪失感を味あわせてくれてありがとう。汚い野郎め!」

というようなことが書いてある。(原文を一部アレンジして翻訳)

普通に考えて、男性が生理用品のフェイスブックページにこのようなことを書くのは、おかしな話なのだが、得てして男性は生理に対する正しい知識を持ち合わせておらず、上記のコメントにも、妙に納得してしまうところもある。これに対して、まじめに?!対応したのが、このボディーフォームを作っているメーカーで、投稿したビデオの内容がすごいと話題になっている。

Bodyform
(http://www.mysavings.com/free-samples/Bodyform/3486/#)

男性に対して、アップされたビデオがこちら。


ボディフォームのCEOキャロライン・ウイリアムスに扮した女優が、青い水をカップに注いだ後「こんにちはリチャード」始めるこのビデオ、以下のようなことを言っている。

■以下、ビデオ内容翻訳

「あなたのFBコメントについて危機感を感じながらも、興味深く読みました。本当の事を言う時が来ました。リチャード、ごめんなさい。私たちはあなたに嘘をつきました。ごめんなさい。あなたが私たちのコマーシャルで見てきたスカイダイビングや、ローラーブレードや、マウンテンバイクは(リチャード、乗馬を忘れてるわよ)、比喩であって、実際の出来事ではありません。私が本当のことをあなたに伝えなくてはならないのは、本当に残念です。楽しい生理などは実際には存在しません。本当のことを言うと、中には真実を受けられらない人々がいるのです。過去に、私たちは、もっと正直なアプローチを考えました。1980年代に、生理痛、感情起伏、飽くなき渇望、真っ赤な雪崩れのように子宮から流れ出る血等の生理に対する公衆のリアクションを研究するグループを作りましたが、(リアクションはご覧の通り。)だから、私たちは、戦略を変えなければなりませんでした。そしてそれ以来、この錯覚を維持してきたのです。でも、リチャード、あなたのおかげで、(私たちは男性が直面することがないように願っていましたが)ベールは引き裂かれ、全ての男性に真実が知れ渡りました。あなたのおかげよ、リチャード。お見事。」

そして青い水を飲んだ後、リチャードに許しを請いながら、おならをする。そして、最後の言葉は「リチャード、ごめんなさい。あなたは女性がおならをすることもしらなかったわよね」というもの。

FBのコメントもユーモアを交えながらのクレームだったが、このビデオもそれをこえるシニカルなユーモアで対応、330万以上のビューを獲得した。

クレームをもらいながらもうまく逆手にとって、話題を作ったという点で非常に参考になる。
日本では、お客様に対して、フレンドリーに接するというのは、失礼にもあたるような考え方もあり、難しいのかもしれないが、人のやらないことを上手にやれば、そしてユーモアがあれば、好感度を上げながら、クレームに対応できるのかもしれない。

ITmediaオルタナティブブログ「青葉哲郎のスマイル航海日誌」

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プロフィール

マーケティングコンサルティング会社 サイコス 青葉哲郎

マーケティングコンサルティング会社 サイコス 青葉哲郎

1971年生まれ。イオン、マイクロソフト、インテリジェンス、リクルートエージェント、リクルートを経て、2009年11月マーケティングコンサルティングのサイコス株式会社を設立。マーケティングに関する総合コンサルティングを提供し、広告販売などは行わず、マーケティング部門や経営効率化支援に特化して広告主側に立った助言を行っている。

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